ゼミ選考とゲーム理論 2
こんにちは、しりょかわです〜
今回は前回の記事の続きなので、まだみてない人は是非是非前回の記事も読んでみてください!
前回の記事では上智大学経済学部のゼミ選考で使われているボストンメカニズムというマッチングの方法とその問題点を紹介しました。
そこで、今回はその問題点を解消できるマッチングメカニズムその名もディファード・アクセプタンスを紹介していこうと思います!
また、今回も勉強チックな表現はできるだけ避けて説明していこうと思っています。もし興味が湧いたら是非ゲーム理論の本などで実際に勉強してみてください!
ディファード・アクセプタンス Deferred Acceptance
これからディファード・アクセプタンスというマッチングの方法を紹介していくわけですが、deferredとacceptanceのそれぞれの意味は知ってますか???
deferredには延期されるなどの意味があります。
acceptanceには受け入れるという意味があります。
つまり、ゼミ側が応募してきたゼミ生の受け入れを延期する、先延ばしにするのようなイメージを最初に持ってもらえるといいかと思います。
早速ディファード・アクセプタンスがどういったマッチング方法なのかを紹介していきます!
ゼミ選考でディファード・アクセプタンス
前回と同じように学生側はゼミに対して好みの順番があります。
今回は仮にAさんとBさんとCさんDさんがいるとします。
それぞれの学生はXゼミYゼミZゼミに対して下のような好み(選好)を持っているとします。
「入らない」というのは、Bさんの場合で考えると、Xゼミしかないんだったらそもそもゼミに入りたくないということです。
また、ゼミ側も各学生に対して好みを持っています。
「とらない」というのは、例えばZゼミの場合Dさんはうちのゼミにはいらないということです。
こんな感じです。
各ゼミの定員はXゼミが1、Yゼミが1、Zゼミが2とします。
また、ボストンメカニズムとは違い、学生は先に自分の好みの順をゼミに提出し、あとは自動でマッチングが行われます。
必要な情報が出揃ったとこで早速マッチングをスタートさせていきます!
STEP 1
まず各学生の第一志望が通るのか通らないのかを確認していきます。
AさんはYゼミを第一志望としていて、YゼミはAさんを2番目に好んでいることがわかるかと思います。
BさんはZゼミを第一志望としていて、ZゼミはBさんを2番目に好んでいます。
CさんはXゼミを第一志望としていて、XゼミはCさんを1番目に好んでいます。
DさんはXゼミを第一志望としていて、XゼミはDさんを2番目に好んでいます。
上の状況からぱっと見で、Xゼミの定員が1でCさんとXゼミは相思相愛なのでCさんがXゼミ内定でDさんは残念ながら次のステップに移ることになります...
AさんもBさんも内定では?と思うかもしれませんが、ディファード・アクセプタンスではまだ内定ではなく、ゼミ側がその学生をキープしているという状況になります。
今はこんな感じの状況です。
STEP2
上の絵からもわかるようにDさんだけ内定もキープもされていないので、Dさんのみマッチングが行われます。
Dさんの第二次志望はYゼミで、YゼミはDさんを1番目に好んでいます。
Yゼミは今Aさんをキープしていますが、Yゼミは本来はAさんよりDさんにゼミに来て欲しいと思っています。
また、Yゼミの定員は1なので、Aさんのキープがなくなり、DさんがYゼミにキープという形になります。
ただ、この場合どちらとも第一志望のためここで、DさんはYゼミに内定になります!
STEP2ではこんな状況になりました。
STEP3
Aさんのみキープも内定ももらってないので、Aさんのみのマッチングを考えます。
Aさんの第二次志望はZゼミで、ZゼミはAさんを3番目に好んでいます。
また、Zゼミの定員は2なのでZゼミはAさんとBさんを受け入れることができます。
学生全員が内定をもらったとこでマッチング終了となります。
(実際には学生やゼミ側の好み次第で、「入らない」「取らない」という好みに行きつき全員が内定をもらわずに終了することもあります)
前回の問題点が解消できてるのかの確認
前回のボストンメカニズムでは、もしも第一次選考で素直に第一志望のゼミに出願していたら入れたのに、人気不人気を考えた結果第二次志望のゼミに入れてしまった。しかし、後から第一次志望だった教授から「第一次志望で出願してくれたら合格にしたのに」ということを伝えられたというケースでしたね。
つまり、学生もゼミ側も満足したマッチングができなかったというわけです。
少し状況は違いますが、今回のケースでボストンメカニズムが行われたとすると、DさんはYゼミに一番に好まれているにも関わらずゼミに入ることができませんよね。
DさんはSTEP1でCさんに負けていて、ボストンメカニズムではAさんとBさんは即内定になってしまいます。
すると、YゼミはDさんを一番好んでいるはずなのに、STEP1でAさんに内定を出し既に定員に達してしまっているため、Dさんを取ることができません。
つまり、DさんにとってもYゼミにとっても満足した結果とは言えません。
しかし、ディファード・アクセプタンスによりキープ(内定を延期)することによりDさんとYゼミにとって満足した結果となっています。
Aさんが可哀想じゃないか!と思うかもしれませんが、世の中そんなに甘くありません。
ゼミ選考も競争の世界なので、YゼミがAさんよりDさんを好んでいた事実を受け入れるしかないのです...
上では勉強チックな表現は避けていますが、少し勉強チックにゲーム理論ぽく説明して欲しいという方が万が一いた時のためにノートを作成しましたので、よかったら下にあるのでぜひ...
ただ、まだ終わりません笑
まだ終わらないんかいとツッコミたくなった方、気持ちわかります笑
長い文章に付き合っていただき本当にありがとうございます。
実はディファード・アクセプタンスにも一つ問題点があります。
現実的なゼミ選考を考えたときに起こる問題です。
それは次の記事で紹介します。
また、次の記事で上智大学経済学部のゼミ事情も少しお伝えしようと思うのでぜひみてください!!!
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長い文章に付き合っていただき本当にありがとうございます。