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勉強しなかった物理の神が、なぜ東大を目指すことに?受験メモ山本さん①


その他
2021年11月28日

ばってんです ♨️
 
普段、YouTubeの授業動画で勉強する方も多いと思いますが、お世話になっているYouTuberの方の高校時代を深く知る機会ってそんなに多くないですよね。
 
各科目の勉強法ももちろん大事ですが、「どんなことを考えて勉強していたのか」「なぜその志望校にしたのか」など、そもそものモチベーションの部分も知ることも、普段の過ごし方にとても刺激になると思います。
 
そこで今回は、東大工学部を出てオンライン個別指導塾を経営されながら、YouTuberとして授業動画を作られている受験メモ山本さんYouTubeのチャンネルokedouのチャンネル)に、高校時代の過ごし方や、進路選び、さらには大学入学後の話をじっくりとインタビューしました!
 
内容が盛りだくさんすぎて、1つの記事に収まらず、5部構成になっています。志望校に関係なく、ぜひ普段の勉強に役立ててみてください!

今回は第1回で、どんな高校生活を送って、なぜ東大を目指すことになったのか、美辞麗句無しのリアルな話を聞いていきたいと思います。
 
勉強の休憩時間に是非読んでみて、やる気を少しでも上げてもらえたら嬉しいです。
 

(わかりやすすぎる授業動画を出されています。チャンネル登録もぜひ!)


高校生活

よろしくお願いします!

はい、よろしくお願いします〜。

どんな高校生活を送っていたか是非聞きたいんですが、どんな高校に通っていましたか?

愛知県の田舎の方にある公立高校でした。片道、電車で30分、バスで30分かかって通学していました。

高校時代はやっぱりずっと勉強していたんですか?

いえ、それが全く勉強の記憶がないんですよね。笑 家での勉強量は明確にゼロでした。授業の直前にギリギリ宿題はやっていましたが、答えがあったらかなり早い段階で写していました。

中学生の頃に、英検とか数検で少し先まで勉強していたので、最初の頃はその貯金で上の方にいたのですが、3年間で成績は単調減少していきました。

何か別のものに打ち込んでいたとか?

高校時代は部活がメインでした。柔道部にいたのですが、顧問も含めて結構厳しくて。土日の練習はどっちかだけという学校のルールがあったんですが、試合があったら半日ずつならOKという謎の特別ルールがあって、遠征練習があると移動時間もあるので、実質土日が潰れることも多かったです。

家ではほんとに、ご飯食べてお風呂入って、ゴロゴロして寝てました。勉強する時間はあったのかもしれませんが、部活の顧問が怖かったので、その憂鬱さと戦うことにエネルギーを使い果たしていた気がします。

それは大変でしたね...。学校のテストや授業中は頑張っていましたか?

テストで赤点をとって部活にいけないと、とんでもないことになるので、赤点は回避していました。最低限のテスト勉強をこなす一夜漬けスキルや、テスト中に考えて点を取る技術には定評がありました。

また、数学と英語の先生が厳しめで、授業は最低限受けていました。当ててくる先生だったのですが、予習はしていなかったので、授業中で内容に追いついて、どうバレずにやり過ごすかを考えていましたね。予習をやっている風の間違いをしたりとか、怒るかどうかの先生の見極めをしたりとか、そういうスキルばかり身についていきました。笑

それは大事な処世術ですね。笑 



部活を引退してからの変化

部活を引退してから生活は変わりましたか?

部活を引退したのは高3の夏前でした。その後は勉強...となればいいのですが、10月に文化祭があり、同じクラスの友達が文化祭の映像制作をやっていたので、そのチームに入りました。

チーム自体は6-7月から動いていて、夏休みも学校に行って活動していました。柔道しかやっていなかったので、その開放感もあって、友達と集まって何かをやっているというのがとても楽しかったです。友達が木に登って落ちて怒られたり、教室で卓球していて怒られたりしていました。先生からすると、大事な夏休みに何のために学校に来てるんだ、という感じですよね。笑

本当に情報不足で、受験は夏が大事だ!とか知らなかったので、勉強に対する思い入れが全くありませんでした。それよりも、失われた学校生活を取り戻そうとしていました。

青春の大事な1ページですね。どこで勉強スイッチが入ったのですか?

文化祭では、自分たちのチームが最優秀賞を取ることができました。裏の力がはたらいて賞を取れないんじゃないか、とか色々とあったんですが、賞をもらうことができて、積み上げたら成果が出る、という成功体験につながりました。高校受験での成功体験とあいまって、やれば結果が出るということを体感することができました。
メンタルが強くて、自分が勉強で成長していないのは、量が足りないからだ、やればできるのだと、素直に考えることができました。

成功体験は大事ですね。スイッチが入ってからは、何から勉強し始めたのですか?

当時は受験勉強というよりも、ただただ中二病みたいに「なんか人より強い、すごい」という状態になりたくて。物理ができるとカッコいいじゃんということで、物理の勉強を始めました。

数学は積み上げが無いと大変だけど、物理ならいけそうだし、ちょっと王道から外れている感じが「自分はあえてこっちを選んでる」感があって強そうだなと。「ああ、あの物理の山本ね」みたいになることが目標でした。受験のこととか本当に考えてなかったですね。

志望校よりも、とりあえず物理で最強になろう、物理の神になろう、ということで、オススメの参考書を自分で調べました。名門の森という問題集が出てきたので、何も考えずにそれを始めました。

確かに物理の神は一目置かれます。いきなりハイレベルなところに突っ込みましたね。

ちょうど学校の授業が電磁気だったので、まず電磁気から始めたらいいかと。学校の授業に加えて、希望者の補講も始まって、「神ならもちろん全部の補講を取るでしょ」と勝手に神のロジックを組み立てて、初級、中級、東大レベル、全ての物理の補講を取っていました。

さすが神ですね。どうやって勉強を進めていたんですか?

人より1年半くらい遅れていたので、「この3ヶ月でひっくり返すには、量とか効率とか7倍くらいでやらないと」と思っていました。もちろん最初は全然わからないので、答えを見て、全部赤ペンで考えながら書いていくことを繰り返して、自分の中で論理を組み立てていきました。2周くらい真っ赤でやりましたが、今考えると全くいい勉強法だったとは思えません。


そして物理の神は東大を目指す

神にはなれましたか?

勢いで勉強を進めていたのですが、あるとき、物理の中級の補講で電磁気の入試問題を解けた人が手を上げさせられて、40人中できたのが自分1人だったことがあって。そのときに「あれ、降臨したかも」と思いました。もっと強くなろうと誓いました。

また、定期テストももともと40点くらいだったのが90点以上取れるようになってきて、これも成功体験になりました。物理の電磁気を極めたことが突破口となり、「あとはこれを他の分野に広げていけばいいんだな」とわかったことは大きかったです。

他の科目も勉強を進めていたのですか?

いえ、物理しかやってませんでした。笑 化学も今はYouTubeで授業動画を出していますが、当時は全然ダメでした。授業はちゃんと受けるようになっていたので、構造決定の問題が定期テストで解けて、有機だけは少しイメージが掴めていたかな、くらいです。

全く想像できませんね。笑 当時の志望校はどこだったのですか?

大学受験にはずっと興味がなくて、引っかかったところに行こうとずっと考えていました。高1の頃の数学の先生が、ドラゴン桜が大好きな先生で、成績上位者を30人くらい集めて「お前らは東大に行け!」と言っていたんですよね。当時の自分は、中学校の頃の勉強の貯金でその中にいたんですが、すかすために、あえて「東京工業大学」にしました。工業ついてるし、なんか考えてる感じがするじゃん、と思っていたのですが、案の定、先生からは何も突っ込まれず、結局そのままずっと東工大志望で、前期は東工大を受けました。

入試直前で、後期の志望校も学校に出さないといけなくて、名古屋大学と書いて出したら、先生に「名古屋大学は後期無いよ」と突っ込まれました。じゃあとりあえず工業をつけておこうという同じ発想で、名古屋工業大学を後期で受験しました。興味無さすぎですね。

東工大はどうでしたか?

受けた瞬間に、まあダメでしょう、という感じでした。笑 過去問演習もやってなかったですし、まだ物理だけの神でしかなかったので、当然の結果ですね。結局100点以上も足りませんでした。

合格することは別に目標ではなかったのですが、これは自分にとって失敗体験となりました。受験に興味なかったのに、受けないとおかしいという流れにやられて受けて、でも負けた。本気出す前に倒された、みたいなモヤモヤが残りました。

神でも失敗はするんですね。東大を目指したきっかけはなんだったのですか?

ドラゴン桜にインスパイアされた先生のおかげなのか、自分の同期6人が東大に現役で受かって、高校にとっては奇跡のようなすごい代になりました。後期試験の前に学校の職員室に行ったら、東大に受かった友達が先生と話していて、「下北沢に住むことにしました〜」とかリアルな東京の地名を話していて、すごく幸せな空間を目の当たりにしたんですよね。

そこで火がついて、とりあえず後期は絶対に勝つと誓って、名工大の後期試験に挑みました。いい精神状態でした。それまで過去問を一切やっていなかったんですが、前日は苦手な化学を1年分解いて、イメージを掴んだうえで受験に臨みました。試験中に、理科は物理か化学の選択だったことがわかり、物理を選びました。気持ちに情報が追いついてなかったです。

数学は、中学生の頃の貯金で計算力はあったのですが、後期の数学の試験中にゴリゴリの計算問題が出てきて、「なんでここでこんな積分させるの?」とか「後期試験でこのクオリティ?」とか、出題の意図に疑問を持ち始めました。数学は割とできたので、解き終えた後に受かるだろうと思ったときに、「ここに進学するの?」と初めて進学を自分ごととして考えました。そのときに職員室の幸せな空間を思い出して、「いや、東大を目指そう」と決めました。

そのあとの試験は上の空で、「東大は理系でも国語があるから、どう対策するか」とかを頭の中で考えて始めていました。一応合格はしたのですが、辞退しました。



いかがでしたか?
 
高校時代に考えていたリアルなことを知ることができ、とても勉強になりました。成功体験の大切さがわかりますね。
 
普段なかなか勉強が進まない方や、成績が上がらなくて困っている方は、とりあえず定期テストの1科目でも小テストでもいいですし、勉強でなくても学校行事や部活でもいいので、全力で対策して最高の結果を出してみるといいのではないでしょうか。そうすれば、点を取るための自分なりの戦略が見えてきますよ。
 
受験メモ山本さんはオンライン個別指導塾もなされていて、受験からはみ出てもいいから深く学びたい方、学ぶ意欲がある方を募集されています。もし独学で細かいところまで学べずに困っている方がいたらオススメです!
 
次回の記事では、成績を上げて実際に東大に合格する実力をつけた、予備校時代の過ごし方を聞いているので、そちらもぜひ見てみてください。役に立つ話がまだまだ続きます!
 
読んでいただき、ありがとうございました〜。

この記事の著者

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ぶおとこばってん

ラ・サール中高→東大理1→計数工学科(数理情報)→UCLA院卒 社会を人から変える会社 okke の CEO YouTube上で、高校数学をじっくりコトコト深く解説中 頭があったまる記事を書いていきます ♨️

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