【書評】格差の問題点 〜格差は心を壊す 比較という呪縛〜
こんにちは、しりょかわです〜
近年、格差や不平等について注目が集まっているかと思います。
おそらく、高校の歴史の授業などでこういった出来事があったため格差が広がった〜、などのことを勉強したことがあるのではないでしょうか?
また、僕がそうだったように受験で小論文が必要な方は、格差や貧困の問題についての小論文を書いたことがあるのではないのでしょうか?
僕の感覚ですが、格差について考えるときに、なぜ格差が生まれたのか、その格差を是正するためにはどんなことが必要だということを議論することが多いのではないでしょうか?
貧困の場合は飢餓などの問題点がパッと上がると思います。
では、格差自体の問題点はどうでしょうか?
今日紹介する本では、その格差がなぜ社会にとって悪なのか、人間の心身にどういった悪影響を及ぼすのかを様々な研究を用いて説明しています!
分厚い本ですが読めば、格差への理解が深まるかと思います!
書名: 格差は心を壊す 比較という呪縛/出版元: 東洋経済/著者名: リチャード・ウィルキンソン&ケイト・ピケット
格差が人間に与える影響
本の中で説明されている、格差による悪影響を何個か紹介したいと思います。
- 格差拡大で100万人の英国の生徒が病んでいる
- 格差は自己愛を増幅させ、度を超えた自己愛は社会にとって悪
格差拡大で100万人の英国の生徒が病んでいる
「100万人の英国の生徒が病んでいる」という文がもう衝撃的ですよね。
本の説明によれば、所得格差の大きい国ほど心の病の経験率が高いという研究結果が出されています。
例えば、所得格差が高い米国や英国などでは心の病の経験率が高く、所得格差が低いとされている日本やドイツでは心の病の経験率が低いとされています。
(この本では日本は所得格差が低い国と分類されていますが、日本でも相対的貧困の問題もありますし所得格差は拡大傾向にあるのでそこはご注意を)
そして、なぜ所得格差が心の病につながるかは本でかな〜りふか〜く様々な視点から解説されているので是非読んでみてください!
格差は自己愛を増幅させ、度を超えた自己愛は社会にとって悪
本では自己愛の特徴として、人の注意を引こうとする行動、自惚れ、才能や業績の誇示などが挙げられています。
格差が大きい社会では相手を競争し打ちまかしたいという動機が働くため上のような自己愛を持つようになります。
そして、自己愛はどんな問題点があるのか。
度を超えた自己愛の保有者は、共感を欠くことが多く相手との関係を発展させるのが難しい傾向があるとされていて、さらに彼らの行動は周りの人間に迷惑や災いをもたらすと説明されています。
また、自己愛の強い人間の例として前アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏が挙げられています。
自己愛が強すぎるリスクが少しピンとくるのではないでしょうか...
この他にも、序列とストレスの関係や、格差と美容整形、格差と教育の関係など様々な視点から格差の問題を指摘しています。
いかがでしたでしょうか?
格差について深く学べるだけでなく、割と厚い本なので一種の満足感や達成感も得られると思います笑
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最後まで読んでいただきありがとうございます!